木のおもちゃで遊ぼう!
対馬の子どもたちに室内で遊ぶ場所を提供しよう!
対馬では、子育て世代の満足度が低いのが問題になっており、アンケート調査でも遊び場や遊ぶ機会が少ないことが不満の一つとして挙げられているようです。昨日総合戦略の委員会でも話題になりました。
行政に頼るだけでは問題は解決しませんし、民間でできることがあると思い、対馬もりびと協同組合・MITとして、子育て教育×森づくりの視点から、全国で注目されている「木育」を取り入れそうと、この3年間準備を進めてきました。
3年前に環境省の地域循環共生圏の事業でクミノ工房の井上さんとのご縁をいただき、協議を進め、今年度11月に島内の無印良品のキッズスペースにてKUMINOイベント(半日)を試験的に開催し、16組の家族が参加し、大変好評で、継続的な開催を望む声が寄せられています。木育コンサルタントのMITスタッフ有川が企画を実行しました。
翌日はSDGsパートナーズ交流会にて、KUMINOイベントを開催しました。大人も夢中になって遊べるのがKUMINOの魅力の一つ!
対馬産の積み木KUMINOを用いて多世代への遊び/学び(木育)の場を市民に提供することで、環境教育の推進と、子育て環境の改善・多世代交流の場づくり、森林資源の高付加価値化の課題解決に同時に効果的に取り組み、対馬の豊かな自然を保全しながら持続可能な形で利用する担い手の育成と確保-ひいてはいつまでも市民が心豊かに暮らしていける自然共生型のしまづくりに貢献していきたいと思います。
KUMINOは、クミノ工房井上氏が開発した「2つの溝が刻まれた柱状の木製のピース」であり、溝があるため、積み上げる以外に、組んだり、伸ばしたり、止めたりと組み立て方が無限にあり、子どもはもちろん大人も夢中になって遊べる玩具であり、創造力や集中力等の知力に加え、意欲や協調性、自信等の非認知能力を育む可能性を持ちます。
また、地域材(多様な樹種)で製作することで、地域の樹木や生物多様性を学ぶ教材としても優れており、全国で普及し始めています。
今回は、KUMINOイベントは、休眠預金等活用事業をいただき実施しましたが、今後さらにこの動きを進めていくためには、資金源をどうするかが課題です。
対馬の未来である子どもたち。対馬にとっての投資。
子どもたちが過ごしやすい、成長できる環境を作るため、行政の予算も集めていくことも大事ですし、民間の予算も集める受け皿を作って、こういった機会を増やしていけたらと思っています。
そしてKUMINOは、対馬産のスギ・ヒノキ材を使って屋久島のウッドショップ木心里の鹿島さん・日高さんに制作していただきました。今回は対馬産の材を屋久島で作ってもらっていますが、将来的にはライセンス契約をして、対馬もりびととして、対馬でKUMINOの製造もやっていきたいと思っています。
最終的には、「いつまでも市民が心豊かに暮らしていける自然共生型のしまづくり」に貢献すべく、木育を経験した子どもや高齢者は森林を含む自然環境への関心が高まっており、子育て世代の満足度も向上し(対馬市の子育てアンケート調査の結果が現在の15%から25%に増加)、対馬産KUMINOの島内製造の体制をつくることにより対馬材の地産地消や地域経済への効果も得られる状況にしていきたいと考えています。
また、KUMINOをきっかけに、市民や事業者の木育や木製おもちゃへの関心が高まり、島内の木工職人が対馬産の木製おもちゃ製作を始めるようになり、弊社が販売、体験機会を継続的に創出し、さらなる子育て環境の充実化や多世代交流の機会の創出、森林資源の活用・高付加価値化の新しい流れが生まれている状況を目指します。
なお、将来的には、木製おもちゃは環境省の自然共生サイトに認定された場所(対馬もりびとの森1号が長崎県初の認定地)等で、森林整備のために伐採した樹木を材料にした製作し、さらなる高付加価値をつけて販売していくことで、生産者と消費者を繋ぎ、自然保全・森林保全と地域経済の循環の両立を実現したいです。
また、森や自然環境に無関心な市民や観光客に対しても、暮らしの中にある木製品が、実は対馬産の木材で作られおり、何気なく使っていたにも関わらず対馬の環境保全に貢献している状態の仕組みを作っていきたい。本事業の「木育」を通じて、生態系や環境保全への関心がある・ない関係なく参加でき、結果として環境に良い行動となり、知らず知らずのうちに持続可能な社会づくりに参加している地域づくりを目指したいと思います。
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